2018-10-04 幽霊船 幽霊船みたいな船が、海を見ている僕を横切る。 見渡す限り工業地帯のこの海に、一際大きな音を立てながら海を進む。その様は自らの存在を殊更強調しているようでなんだか恥ずかしい。 「そんなに大声を出さなくても、僕は君を見つけたよ」なんて歯の浮くようなセリフを思い浮かべて、僕は慌てて思考の舵を切る。 正しくは「僕も、お前と一緒だよ」だ。 僕はいま、神戸にいる。